歯の移植
歯の移植
一般的に、ご自身の歯を失った場合の治療法として、義歯、ブリッジ、インプラントがあります。当院では、第4の選択肢として「自家歯牙移植」をご提案することがあります。
自家歯牙移植とは、歯を失った部位にご自身の機能していない不要な歯(親知らずや歯並びから逸脱した歯など)を抜歯し、当部位へ移植する処置です。そして固定するのを待ち、かぶせ物をします。
自家歯牙移植は、全ての患者様に適応となるわけではありません。しかし、条件が合えば、義歯、ブリッジ、インプラントよりも有用な治療となる可能性があります。一度抜いた歯を移植して使っていくので、長持ちという点では他の治療法には劣るかもしれませんが、移植した歯が抜歯になってから再度治療法を検討することができます。つまり、義歯、ブリッジ、インプラントを先延ばしにすることが可能です。
「この歯は残せない」、「抜いてブリッジしかない」と言われたことがある方は一度ご相談ください。
基本的に、20歳までの方に対してはブリッジ治療やインプラント治療は行ってはいけません。実際に歯科医師国家試験でも正答となったことはありません。20歳までは成長発育するので、顎の骨も成長します。成長段階の顎にブリッジやインプラントを入れると、その部位の成長発育を阻害します。従って、歯を失った20歳以下の方への治療法は調整の効く「入れ歯」となります。しかし、口腔内に不要な歯がある場合、失った部位に移植することで入れ歯を回避できる可能性があります。
以上の理由から、保険が適用できることがあります。
残せない歯の状態によっては①と②が別の日になる場合があります。①の残せない歯に膿が多く溜まっていたり、炎症が強いと移植する歯が定着しないためです。ある程度(およそ2週間)治癒を待ってから移植に踏み切ります。治癒を待ちすぎると抜いたところがしっかり塞がるため、移植が難しくなることがあります。
ご自身の顎の骨にご自身の歯を移植するので、年齢による制限はありません。ブリッジの土台の歯がもうダメで、次は入れ歯と言われても、条件が合えば移植を行い、再度ブリッジを作成することが可能です。